こんにちは!
今年の春に国家試験に合格し、無事に獣医師になった吉です。
今回の記事では、私が6年生になった時点で知っておきたかった獣医師国家試験に向けての勉強方法を紹介します!
勉強方法を模索しながら、私なりに1番良い方法に辿り着きました。
間違った勉強法で突き進んでいたときもありました…。
失敗談は以下の記事で書いています。
ピークを本番にもっていくこと
獣医師国家試験を受けるにあたって1番大事なことは
記憶(インプット)のピークを本番当日にもっていくこと
です。
人は忘れる生き物です。
「みたことある問題だけど答えがわからない…」となるのは勿体無いです!
国家試験本番に記憶を1番引き出しやすい状態に調整することが重要です。
1年間どう勉強するか
国試勉強を1年間やるとして、1番ストレスなくスムーズに合格するのは以下の流れです。
4月-11月
理解が必要な分野の過去問解説を作る。ここの頑張りが12月以降の勉強を楽にする。
12月-1月中旬
国試期間突入。過去問を数年分解く。新しい問題をどんどん解くこと。
1月下旬-国試本番
今まで解いた問題の復習をする。60%暗記していたものを80%に引き上げる。ヤマを張ることも重要。
この流れで仕上げていけば順調にピークの状態で本番を迎えられると思います!
それでは細かく説明していきますね。
4月~11月
過去問解説を作る
この時期、大学によってはポリクリ(ローテ)と呼ばれる実習があったり卒論の実験をやったりと、とても忙しい時期だと思います。
また、就活の本選考が始まるタイミングなので人によっては国試勉強に割く時間はほとんどないかもしれません。
しかしこの時期は唯一、国試対して焦りを感じることなく国試勉強に取り組むことができる時間です。
時間をかけてしっかりと理解することが大切な基礎系の分野を勉強することがおすすめです!
この時期にしっかりと基礎を固めておけば、臨床系の問題を解くときにすごく楽になります。
私はこの時期に生理学の過去問解説を15年分作成しました。
就活とポリクリの合間に作成していたのですが、自分のペースでやれたので焦りもなくストレスフリーでした。
個人的には、この時期は理解して覚えなければいけない「生理学」を勉強することをお勧めします!
生理学を理解していないと臨床系の問題での応用が効きません。
12月以降
誰かと一緒に勉強すること
合格したほとんどの先輩はこう言っていました。
「誰かと一緒に勉強しておけば大丈夫」
複数人で勉強するメリット
- 勉強する時間を確保できる
- 人と話すこと自体が精神衛生上良い
- わからないことをすぐ聞ける
- 自分が知らない情報が入ってくる
- 違う観点から問題を見ることができる
1番のメリットは「やる気が出ない」時でも国試部屋に集まれば勉強せざるを得ないと言うことです。強制的に勉強する環境に身を置くことで最低限の勉強時間を確保できます。
私の場合、自分よりも成績のいい人が朝8:00-夜23:00まで勉強していたので「自分が勉強しないわけにはいかないよな…」と思って勉強していました。
「自分が知らないことを周囲が話していたら焦るから嫌…」
「他の人が話していたら自分のペースで勉強できない…」
その気持ち、すごくわかります。
他の人が知らないことを当たり前のように話していたら焦りますよね。
私はそれがストレスになって自分の勉強に集中できないことがよくありました。
そのため、私は基本的に勉強中はイヤホンをして周囲の音をシャットアウトしていました。
私が所属していた国試部屋では
各々が考えたゴロや、重要だと思ったことを1日の終わりに問題にして出し合っていました。
・全く知らないこと
・知っているつもりだったけど見落としていたこと
・覚えやすいゴロ
などなど1人分の勉強量では賄えない沢山の知識を共有できたことはかなり大きいメリットでした。
12月-1月中旬
幅広く!浅く!
ここからは、国試一本に集中して勉強する際に心しておかなければならないことを話します。
重要なことは
幅広く全ての範囲を浅くやること
です。
国試の問題を解くときに「捨て問題」という正答率が著しく低い難解な問題がときどき出てきます。
それらが解けないのはしょうがないです。
しかし、解いた結果生じた「捨て問題」は存在しても「この分野は捨てよう」ということではありません。
「知ってるだけで解ける問題」
「知ってるだけで消せる選択肢」
そんなことが結構あるからです。
1回だけでも目を通しておけば、頭に残っている物事って意外とあります。
ですので、どの分野を重点的に勉強するかということは復習の回数または過去問を何年分やるかということで調整しましょう。
「魚病は捨てた!」
「実験動物は捨てた!」
とかは本当にNG。確実にその分野の問題を捨てることになるからです。
選択肢を消せれば正答する確率は上がります。
深く勉強するのはこれまたNGですが、全く勉強しないのもNGです。
浅く、広く。
全ての分野を勉強するつもりで頑張りましょう。
「みたことある問題」のストックを貯める
12月から1月中旬まで、
この期間は過去問を少なくとも5年分、できれば10年分解きましょう。
次の項でも書きますが、
この時期、復習に時間を費やさないように注意してください。
多少大雑把でもインプットする情報量を増やすことが最優先です。
国試の問題は似たような問題が結構出題されます。
この期間に「みたことある問題」のストックを貯めておかないと、国試本番に詰みます。
細部にこだわるのは今ではありません。
1月下旬にしっかりと復習して固めていけば大丈夫です。
もちろんわからないことがあったら、その都度しっかり調べます。
理解して進んでいくことが大事です!
過去問1周目は時間がかかって大変ですが、ここの頑張りが1月下旬からの復習期間を楽にするのです!
無闇に復習しない
先ほども言いましたが、この時期に過度に復習するのはNGです。
大事なことはなんですか?
そう、ピークを国試本番にもっていくこと、です!
この時期に復習しても本番までに頭の中からどんどん漏れ出てしまいます。
失敗談の記事にも書いているのですが、
私は忘れることが怖くて、問題を解いたその日から1日後・3日後・7日後と計3回も復習していました。
しかしそのせいで新しい問題をする時間が取れず、1月1日の時点で全く手をつけていない分野が全体の2/3も残っていました。
そこからは方針を変えて7日後に1回復習するだけにしました。
そうすることで1月末の段階で、苦手な分野は8年分、その他は5年分の過去問を1周終わらせることができました。
ゴロを駆使する
この項はテクニックの話になります。
ゴロはめちゃくちゃ使ってください!
自分はゴロ用の小さいノートを作っていました。
人それぞれかもしれませんが、
私の場合、他の人が考えたゴロでは覚えられなかったため自分でゴロを考えていました。
意味がわからない文章でも、どぎつい下ネタでも、使えるものは全て使ってください。
私たちの国試部屋では出来の良いゴロをホワイトボードに絵をつけて書いていました。
例えば「狂犬病予防法で定められている検疫対象動物は?」
と言う問題では「あら犬好きね。狂犬病」と言うゴロを覚えれば一発です。
(※2023年の時点。獣医学的内容には責任は負いかねるのでご容赦ください。)
1月下旬-国試本番
復習する
ここからの3週間は国試に向けてインプットの完成度を高めていく期間です。
今までやってきたことを3周以上復習しましょう。
まだやれていない分野がある場合、その分野をやるのも良いと思います。
しかし、あくまで復習がメインです(特に残り10日間!)
2回の復習の時に80%理解しているところは、それ以上復習しなくて良いと思います。
間違えたり、理解度が80%以下のところは3回目も復習しましょう。
画像つきのカラーアトラスがあれば、同じ内容でも違った角度から勉強できるので頭に残りやすいかもしれません。
僕の場合は、2月に入ってから復習期間に入りました。
国試本番までに超ギリギリで間に合わせました…。
ヤマを張ろう
この項もテクニックです。
本番2日前、前日にはヤマを張りましょう。
経験談ですが、ヤマを張ることはかなり有効です。
なんの根拠もなくヤマを張るのではなく、
「最近これ出てないよね」とか「社会的にこれが問題になってるよね」とか、
根拠をもって張ったヤマは意外と当たります。
あと、このヤマを張る作業は国試本番の休憩時間にも行ってください!
「今更やっても変わらない」なんて言ってる人もいましたが、最後の最後まで粘ってください!
直前にやっていれば細かいところまで覚えています。
直前にヤマを張ったおかげでおかげで、僕は4問くらい当てることができました。
特に必須問題ですが、本当に1問の差で落ちます。
最後まで粘らないと後悔することになります。
最後に
人それぞれ自分にあった勉強法はあると思いますが、
今回紹介した勉強の流れで進めていけば大丈夫だと思います。
大事なのは、
記憶(インプット)のピークを本番当日にもっていくこと
です。
しっかり準備し、最高の状態で本番に臨むことができれば間違いなく合格できると思います。
受験生の合格を祈っています。
頑張ってください!