漫画:「動物のお医者さん 愛蔵版」全6巻分を読破しました!(コロナでの自宅待機期間に読みました)
「動物のお医者さん」とは、1987年〜1993年にかけて連載されて佐々木倫子先生による少女漫画です。
少女漫画と聞いて敬遠した男子諸君。安心してください。この作品は恋愛なしです。(なぜか。少女漫画なのに。)
なかなか知られていない獣医学部での学生生活をリアルに近い感覚で垣間見ることができる貴重な漫画です。
獣医を目指している人はもちろん、動物好きな人なら誰しもが楽しく読める本だと思います。
「動物のお医者さん」はどんな漫画か。
舞台は北海道。この漫画は獣医師を目指す学生たちの奮闘記を描いた作品です。
獣医を目指す2人の学生
主人公は高校3年生の「ハムテル」。
ハムテルが友人の「二階堂」と大学校内を歩いていると、大学の教授から逃げてきたハスキー犬の子犬 ”チョビ” と出会います。
物語はここから始まります。
獣医学部に入学したハムテルと二階堂。クセのある教授と出会い、さまざまな個性的な動物・友人・先輩・後輩と関わり合いながら、獣医学部でしか体験できないさまざまなことを経験していきます。
個性的な動物たち
この作品に出てくる動物はみんな個性を持っています。荒っぽい鶏、姉御肌な猫、学生を小馬鹿にする馬、なぜか動物病院に1人でやってくる犬。
個性的で学生たちを困らせるものの、どこか憎めない可愛さを持つ動物たち。
獣医学的な観点と動物好きとしての観点をあわせ持つ、獣医学生ならではの考え方や触れ合い方が描かれています。
この動物たちの描写は結構リアルです。
高飛車な猫に引っ掻かれたり、馬に服を齧られたりと共感できるところがたくさんありました。
獣医学部の人たち
教授や大学院生もこの作品ではたくさん出てきます。
冒頭でチョビを追い回していた教授によって、ハムテルと二階堂の学生生活は大きく影響されていきます。また、仲良くなったポンコツで美人な大学院生との物語もとてもリアルで面白いです。
ハムテルと二階堂の学年が上がるにつれ、研究室ライフも描かれるようになり、お金がない貧乏研究室のことだとか、教授に振り回される様子だとか、本当に獣医学生にとってリアルな日常が描かれています。
今の獣医学部と違うところ
この漫画を読むと、当時(40年前)の獣医学部が現在と比べるとかなり自由だったことがわかります。
実験動物が逃げ出すなんてことがあったら今では大問題ですし、
大学校内に自分の家の犬猫を野放しにしているというのも今では考えられないことです。
現在は動物愛護の風潮が高まってきていることで、動物を使った実習を中止にする流れも出てきており、動物と触れ合う機会は昔に比べて少なくなっています。
とは言っても、今の獣医学部にも牛や馬はいますし、大学病院に行けば犬猫がたくさんいます。僕の大学の獣医学部棟の前にも太った野良猫が鎮座していますので動物との関わりが全くなくなったというわけではありません。
個人的には探さなくてもそこらじゅうに動物が溢れている環境の方が羨ましいですが笑
まとめ:「動物のお医者さん」の書評
この漫画の魅力を引き出すのは、ハムテルと動物の関係性です。
ハムテルは祖母と二人暮らしなのですが、その家には他にも動物が住んでいます。犬のチョビと猫のミケ。鶏のピヨちゃんとスナネズミの一家。普段動物に振り回されて苦労を強いられているハムテルですが、ハムテルは怒ったりイライラする様子を見せません。
いつも「やれやれ…しょうがないな…」という感じなのです。ハムテルは器が広くてすごいなぁ、と思っていたのですが、読み進めて思いました。
動物を飼う以上これがお手本となるスタンスなのだと。
動物と人の関係に注目して読んでいけば、きっと大事なことが学べると思います。
ハムテルの優しさのおかげもあって、動物たち、特に”チョビ”はハムテルのことが大好きです。ハムテル、そしてそハムテルにいつもついて回るチョビ。
ぜひ、「動物のお医者さん」を一度読んでみてください。
今回はここまで!
終わり。