標高7000mを超える世界最高峰の山々、ヒマラヤ山脈。
この世界最大の壁を北部に持つネパールは、狭い国土の中で急激に気候が変わります。
今回紹介するのは、ネパール南部のタライ平原に広がるチトワン国立公園。
この場所は亜熱帯気候に含まれ、標高は50~200m。東西80km、南北23kmにわたる広大な国立公園です。
広大な土地には鬱蒼としたジャングルと平原が広がっており、公園内には約68種類の哺乳類、約126種類の爬虫類と両生類、および540種類以上の鳥類が生息しています。
絶滅危惧種の宝庫
チトワン国立公園には、多数の絶滅危惧種が存在しています。
今回は私がチトワン国立公園を訪れた際に、実際に遭遇した【インドサイ】と遭遇したかった野生動物No1の【ベンガルトラ】について紹介します。
インドサイ(一角サイ)
角目的の乱獲やスポーツハンティングなどにより、生息数は1900年代頭には約200頭にまで激減した。2019年現在は生息数は増加傾向にあるが、カジランガ国立公園に多くの個体(全生息数の70%以上)が生息するためカジランガ国立公園に何らかの事態(災害や感染症の伝搬、密猟の横行など)が発生すれば種としての絶滅の危険性が高くなるという問題がある。
「インドサイ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』
サイの角は解熱薬・解毒薬・強精薬として古くから利用されており、密猟が後をたちません。
一時期絶滅寸前まで個体数が減少したものの、現在チトワン国立公園のインドサイの個体数は649頭にまで回復しました。
保護活動を行っている政府や団体の努力に感謝です
インドサイは堅い鱗を持ち、強靭な角を持つため大人のインドサイには天敵がいません。
屈強なその風貌を見ると、強さの象徴をそのまま体現しているようです。
普段は単独行動。ナワバリを持つのですが別個体が侵入しても特に喧嘩になることは少ないようです。
生息地が湿地で雨が多く振ると水没し地形の変化が激しいため、ナワバリの境界線がはっきり決められないため、という説があります
角をつつき合って喧嘩しているように見える場合でも、サイならではの 「挨拶」 であることが多いようです。
繁殖を行えるようになる時期(性成熟)はオスで9歳、メスで5歳。
妊娠期間は約16ヶ月で出産後は数年間手厚く育てられます。
(※妊娠期間:人:280日, 牛:283日, 馬:11~12ヶ月, 犬:58~68日, ゾウ:650日!!)
ベンガルトラ
ベンガルトラは密猟、生息地の喪失、断片化の脅威に晒されており、2011年までに2,500頭未満のみの野生個体で構成されると推定されている。
「ベンガルトラ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』
ネコ科最大級の動物であるトラ。
かつては8種類の亜種が存在していましたが、森林破壊や狩猟などによって20世紀中に3亜種が絶滅してしまいました。かつては数十万頭いた個体数は現在は2500頭と激減しています。
ベンガルトラは広い行動範囲を持ち、主に森林地帯に生息しています。
草原や川にも出現することもあるらしく、藪の中に潜んで獲物を狙っているんだとか。
主なハンティングは夜に行われ、シカやイノシシと行った哺乳類以外にも爬虫類や魚など幅広い生物を捕食対象としています。
木に登ることはあまりなく、意外なことに泳ぎが上手です。
大きな河川も簡単に泳ぎ切ってしまうようです。風呂に入れるのが大変な猫も、同じネコ科として見習って欲しいものですね
繁殖期は特に決まっていませんが、多くの子供は12月と4月ごろに生まれているようです。この時期に岩穴や倒れた木の隙間を見つけたら、そこでベンガルトラが子育てしているかもしれません。
野生での平均寿命は8~10年くらい。飼育下では16~18年らしいです。
近所の野良猫と同じネコ科とは思えないような特徴を持つベンガルトラ。その姿はフィールドを縦横無尽に動き回るジャングルの王様を連想させます。
インドゾウ
チトワン国立公園では、ゾウに乗ってパーク内を散策するエレファントサファリというアクティビティがあります。
インドゾウを含むアジアゾウは、過去60~70年の間に少なくとも50%個体数が減少し1986年に絶滅危惧種に登録されました。
ゾウの個体数減少には、人間に対する被害や密猟などの根深い背景があります。
ゾウによる人間への被害には「農地の破壊」が挙げられます。これはネパールだけでなく様々な土地で重要視されている問題です。
アジアゾウが抱える社会問題を世界の課題として解決に向かう未来を願うばかりです。
チトワン国立公園の風景
「チトワン国立公園に行って1番何に感動した?」
そう聞かれたら僕は迷いなく
「ずっとまっすぐ続いている一本道!」と答えます。
「ここまで動物のことしか話してないのに景色かい!」
と思うかもしれませんが、
そう言えるだけ、もう本当に景色がすごかった。
サファリの車が通るためだけに作られた道。その周りに何が潜んでいるかわからないくらい先が見通せない草原。
地球上での自分の小ささを感じ、興奮と、冷や汗が出るくらいの恐怖を感じました。
まとめ:チトワン国立公園
また行きたい!
今回紹介しきれませんでしたが、他にも美しい動物たちは沢山います。
クジャクとか!もうそれは立派なのが!
というわけで、いつの日か【チトワン国立公園】に再び訪れることを決めた吉之助でした。
皆さんもぜひ!
それではここら辺で!